2020年2月21日に、DMM.comさん東京本社にて開催されるAgile PBL祭りに個人スポンサーとして協賛いたします。

協賛への経緯

私事ではありますが、2018年度に楽天の新卒入社に対してエンジニア研修をPBL形式で実施したおり、メンターとして参加していました。

その研修がどんな雰囲気だったのかは下記の資料をご覧ください。

この研修で、自分が教える立場なのか教えられる立場なのかがわからなくなったのを覚えています。 新卒のみなさんは、私が知っていることや考えていることを教えると、予想外の成果を出してきました。 彼らは言われたからただやるのではなく、彼らたちでの試行錯誤を繰り返しながら、彼ら自身が自分たちに合った方法を見つけ出していたからだと思います。 普段スクラムで開発している人たちが「30分スプリント」をやろうと提案されるとどうなるでしょうか。 「普段1週間でやることを30分なんて」「無理だ」などと言う人達が現れるのではないでしょうか。 そして、結果として実際に試してみる人たちはごくわずかなのではないかと推察します。 というのも、おそらく自分もそう考えるのではないかと思うからです。 ですが、新卒のみなさんは違いました。 彼らはそれまでチーム開発の経験がありません。 無いからこそ前提が無く、まず試すという方法にすぐ至ったのだと思います。 中には、15分スプリントを試し、「自分たちには合わない」という自分たちで回答を出しています。 同じ「無理だ」という回答に行き着くにしても、実際に試したのか、頭の中で想像しただけなのかでは雲泥の差だと思いました。 経験がある故に、自分たちの中で知らない間にできることが狭まってしまっているのではないかと思いました。 そういうことを教えてくれたのは、経験が無い中で純粋にプロダクト開発に打ち込んでいる彼らでした。

また、このことを再び思い知らされたのは、先日12月20日に開催された東京工業大学 IT特別教育プログラム 成果展覧会に参加したときでした。

修士論文を進めるための研究もある傍らの授業の中の1つでしかないといえばそうなのですが、その中で初めて取り組むチーム開発を最後まで続けてきた成果を見せてもらいました。 ブース展示でお話を伺っていくと、他の活動があるためチームメンバーが減ったり、そもそも開発に充てられる時間が個々人で少なくなってしまう厳しい条件の中で、どうやって開発を続けていくか試行錯誤していたことが伺えました。 自分が一番印象に残っていたのは、メンバーが減った時に開発の活動の時間を講義中の時間のみにした、という話でした。 個別に作業することをやめ、メンバー全員がいる環境で集中することでコミュニケーションコストを減らすようにしたそうです。 ある程度経験がある人が同じ状況に置かれた時、「どうやって時間を捻出できるか」といったことを考えてしまうのではないでしょうか。 彼らが取った対策は、それとは真逆の方式で、なおかつメンバー個々人の力を合わせて進めるというチーム開発の醍醐味が含まれていると思いました。 ブースで尋ねてくる人の中には「○○(とあるプラクティスの名前)はやったの?え?やっていない?完全に理解したのではないの?」といった茶化すような方もいました。 「何かを知っている」という点では「完全に理解」していないかもしれません。 私個人としてはアジャイル開発で一番重要なことは、プラクティスの実践よりも、状況に応じて自分たちのやり方を自分たちで考える、と思っています。 成果発表で話をしていた学生の方々にお話を伺い、彼らはそれを実践した上で理解していたように思いました。

長くなりましたが、そのような場を作っている方々の想いに賛同したたため、今回協賛することにいたしました。 それぞれのセッションできっと予想外の驚きを与えてくれることを楽しみにしています。

まだ現時点(2020年1月3日時点)スポンサー枠に空きがあるようですので、開催趣意にご賛同される方は協賛すると良いのではないでしょうか。