satoryu.hatenablog.com

先日、スクラムフェス大阪2019にて発表してきたのですが、時間オーバーしてしまい、最後は巻きで流してしまいました。 ということで、当日お話できなかった

  1. 推しパターンの「傾聴」
  2. コミュ障になぜこの2パターンが推しなのか
  3. おまけ

について書きます。

1. 推しパターンの「傾聴」

このパターンは、「なんだよ、当たり前のことじゃないか」と身も蓋もない話ではありますが、「それが大事なんだ」ということを認識するのに良いものだと思って、ご紹介しようと思って選びました。

Customer Interaction Patterns(以降、お付き合いパターン)の中では、Effective Listening と書かれていて、正確には「傾聴」と訳すのは誤りかもしれません。 ですが、このパターンで書かれていることが、相手の真意を聴き出すことについて書かれていたため、「傾聴」と訳しました*1

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そもそも相手が話していることが、本当に言いたいことではないことがあります。 セッション中の喩えで、お客さんが「3万円貸して!」とお金を貸して欲しいを出しました。 これは、その先のやりたいことがあるはずですが、それが何かが明かされていません。 なので、それを聴き出す必要があります。 3万円持っていれば、素直に渡してしまえば、その場でお客さんは満足するかもしれません。 ですが、本当にやりたかったことが3万円で出来なかった場合もしくは思ったとおりにいかなかった場合などはどうでしょうか。 結果的に、お客さんのやりたかったことを助けられなかったことになります。

このように、単に言っていることそのものがやりたいことではないことがあるので、相手が本当にやりたいことや意味すること聴く必要があります。 また、これは時には長く時間のかかるコミュニケーションを必要とします。

話を引き出す

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いきなり「本当にやりたいことを話してください」とだけ言っても、答えられないこともあります。 お客さん本人が理解していないこともあります。 その時は、

  • こちらから質問する。
  • 相手のためになる情報を伝える。

といったアクションをこちらから取らないと、お客さんから反応はありません。

「傾聴」を支える4つのパターン

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では、どうやるのか? お客さんパターンでは、方法については書かれていません。 そのかわりに、話を聴く時に気をつけるといいことについて4つのパターンが与えられています。

  1. 「行儀良く」
  2. 「お客さんに安心を」
  3. 「線を超えない」
  4. 「誠実であろう」

順に紹介していきます。

「行儀良く」

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お客さん相手であることを忘れて、マナーに欠ける行為をしてしまうことがあり、それにより相手の信頼を失うことがあります。 なので、言葉、ボディーランゲージ、身だしなみは適切なものにしましょう、ということです。 ただ相手によっては、敬称をフレンドリーなものを好んだり、服装もカジュアルなものを許容する人もいます。 それもお客さん次第なので、コミュニケーションの中で、見つけだすと良いと思います。

「お客さんに安心を」

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時にはお客さんからの不満やクレームをもらうことがあると思います。 当たり前ですが、まず落ち着いて、謝ることから始めましょう。 決して、お客さんの怒りを収めることを目的として行動してはいけません。 その時に、うっかり有る事無い事を言ってしまったり、下手な約束をすると、後でかえってひどい状況になります。

お客さんが怒っている状況はとても辛い場面ではありますが、こちらが知り得ていなかったお客さんの期待があり、それを満たせなかったためだと考えられます。 なので、お客さんが何に期待していたのかを探ることに専念しましょう。 お客さんのことを考え、お客さんを理解する態度が大切です。

言ってはいけないこと

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残った2つのパターンは、言ってはいけないことについてです。

「誠実であろう」というパターンでは、嘘をつかないようにしようと言っています。 人はお客さんに正直でありたいと思いつつ、お客さんから悪く見られたくないという思いもあります。誠実な関係の中では、悪い知らせをお客さんにお伝えしなければいけないことがあります。それを怠ると、信頼を失うことになります。 ささいなことはお客さんに言わなくていいかもしれません。 しかし、お客さんに影響のあることで何か困っているとしたら、それはお客さんに共有すべきです。もし困っている状態をお客さんに知られた時に、何か隠し事をしているように思われてしまいます。

「線を越えない」も似たようなもので、自分の責任範囲を越えたことは言ってはいけないということです。 自分に決定権の無いことは言ってはいけないし、関係者の責任範囲の部分を「簡単です」とか「すぐできます」なんてお客さんには言ってはいけません。

まとめ

ということで、注意深く話を聴く姿勢を持ちましょう。 そして、その時は、誠実で無責任なことは言わなず、言葉だけでなく立ち振舞にも気をつけましょう。 相手が怒っていても慌ててなだめようとしないで、お客さんが本当にやりたかったことを引き出すチャンスと思い、話を聴きましょう。

と書いてしまうと、当たり前のことばかりで何のテクニックの紹介にもなっていないのですが、当たり前のことを当たり前にやることが大切なんだと思います。

2. コミュ障になぜこの2パターンが推しなのか

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このセッションで紹介しようとした2つのパターン

セッションでは「まずすぐ返す」パターン、この記事ではそこで紹介できなかった「傾聴」パターンを紹介しました。 なぜこの2つを選んだのかを書きます。

上の図にあるように、実践に関するパターンは4つあります。 今回紹介した2つは、お客さんからきっかけを作ってくれた場合にどう対応するか についてのパターンです。 このセッションでは、コミュ障、特に自分からコミュニケーションのきっかけを作れないタイプの人がお客さんと良いコミュニケーションをしてほしいという目的がありました。 自分からきっかけを作れないので、お客さんが作ってくれたきっかけを活かす方法を紹介しようと思いました。

ちなみに、「単なる会議をしない」というパターンは、会議だけでなくその前後を社交の場としてお客さんとの関係を築こう、というものです。 これは私もまったく出来ていないので、自信を持って紹介できないと判断しました*2

3. おまけ

当日来てくださった方はどこまでわかったのか知りませんが、このセッションで突っ込んだネタの答え合わせです。 きみはいくつわかったかな?

あー、ほんま最高のイベントやったなぁ〜

*1:もっと良い言葉があればぜひコメントを!

*2:だってコミュ障だもの

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